本日は、女性の薄毛治療を専門とするクリニックの医師にお越しいただき、髪と女性ホルモンの関係について、医学的な観点からお話を伺います。先生、女性の薄毛と女性ホルモンは、やはり密接な関係があるのでしょうか。「はい、その通りです。特に、更年期前後に見られる女性の薄毛、いわゆるFAGA(女性男性型脱毛症)は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が大きな引き金になっていると考えられています。エストロゲンには髪の成長期を維持する働きがありますが、これが減少すると、相対的に男性ホルモンの影響が優位になります。その結果、ヘアサイクルが乱れ、髪が十分に成長しないうちに抜け落ちてしまうのです。髪一本一本が細くなる『菲薄化』が進み、分け目や頭頂部を中心に地肌が透けて見えるようになります。」ホルモンバランスの乱れは、他にも髪に影響を与えますか。「もちろんです。例えば、過度なストレスや不規則な生活によってホルモンバランスが崩れると、年代に関わらず抜け毛が増えることがあります。また、甲状腺ホルモンの異常が、脱毛の原因となっているケースも少なくありません。ですから、急激な抜け毛があった場合は、まず原因を特定するために専門医の診断を受けることが非常に重要です。」治療としては、どのようなアプローチがあるのでしょうか。「FAGAの治療では、まず内服薬や外用薬が基本となります。男性のAGA治療で使われる薬とは異なり、女性の体に合わせて処方されます。例えば、ミノキシジルの外用薬は、血行を促進し、毛母細胞を活性化させる効果が認められています。また、ホルモン補充療法(HRT)が、薄毛改善に副次的な効果をもたらすこともありますが、これはあくまで更年期障害の治療が主目的であり、髪のためだけに安易に行うべきではありません。最近では、ご自身の血液から抽出した成長因子を頭皮に直接注入するPRP療法など、より積極的に発毛を促す治療も選択肢として増えています。大切なのは、自己判断で悩まず、専門医に相談し、ご自身の状態に合った適切な治療法を見つけることです」。
専門家が語る女性ホルモンと薄毛治療の最前線