大学に入学してからというもの、一人暮らしの自由さに甘え、食生活が非常に乱れていた。カップ麺やコンビニ弁当ばかりの生活が続き、野菜をほとんど摂らない日も多かった。そんな食生活が、私の髪に深刻な影響を与えているとは夢にも思わなかった。ある日、頭頂部の薄さに気づき、インターネットで若年性薄毛について調べた時、食生活が薄毛の原因となることを知った。栄養不足が髪の成長を妨げ、抜け毛を増加させるのだと。この事実に衝撃を受け、私はすぐに食生活の改善を決意した。まずは、自炊を始めることにした。野菜をたっぷり使った料理や、タンパク質を豊富に含む食材を積極的に摂るように心がけた。特に、亜鉛やビタミンB群、鉄分などが髪の成長に重要であることを知り、それらの栄養素を多く含む食材を意識的に選んだ。最初は慣れない自炊に戸惑ったが、レシピサイトなどを参考にしながら、少しずつ料理のレパートリーを増やしていった。食生活を改善してから数ヶ月後、以前よりも髪にツヤが出て、抜け毛も減ってきたのを実感できた。食事は体を作る基本であり、髪の健康にも直結しているのだと、改めてその重要性を痛感している。大学生活を謳歌するはずが、若年性薄毛という予期せぬ現実に直面し、私は深い悩みを抱えていた。鏡を見るたびにため息が出て、人前では常に帽子をかぶるようになった。友人の視線が気になり、自信を失い、塞ぎ込む日々が続いた。しかし、ある日、ふと「このままで本当に良いのか」と自問した。薄毛は私の個性の一部であり、それを否定していては、いつまで経っても前向きになれないのではないか。そう思い、私は薄毛を隠すのではなく、受け入れる努力を始めた。まずは、髪の毛を気にしすぎる自分と向き合うこと。そして、薄毛である自分も、他の人と何ら変わらない価値を持っていると信じること。簡単なことではなかったが、少しずつ考え方を変えていくことで、心が軽くなるのを感じた。もちろん、育毛剤の使用や生活習慣の改善といった対策も継続しているが、それ以上に大切なのは、薄毛という事実を前向きに捉えることだと気づいた。薄毛であっても、おしゃれを楽しんだり、恋愛をしたり、夢を追いかけたりすることはできる。この気づきが、私の大学生活を大きく変えるきっかけとなった。
年性薄毛と向き合う大学生の食事療法