「最近、髪の分け目が薄くなってきた」「髪全体のボリュームが減った気がする」。女性の薄毛の悩みは、男性とは異なるデリケートな問題を抱えることが多く、一人で抱え込まず、専門の皮膚科に相談することが改善への近道です。皮膚科では、薄毛の原因を正確に診断し、一人ひとりに合った適切な治療法を提案してくれます。今回は、女性の薄毛の主な原因から、皮膚科での診断、そして多様な治療法について詳しく解説します。女性の薄毛の主な原因は多岐にわたりますが、代表的なものとして「FAGA(女性男性型脱毛症)」が挙げられます。これは男性のAGA(男性型脱毛症)に似ていますが、女性の場合、特定の部分が完全に脱毛するのではなく、髪全体のボリュームが減少したり、分け目が広がったりする「びまん性脱毛症」として現れることが多いです。ホルモンバランスの乱れ、特に更年期による女性ホルモン(エストロゲン)の減少が大きく関与すると考えられています。また、ストレスや不規則な生活習慣、過度なダイエットによる栄養不足、出産後のホルモン変化による「分娩後脱毛症」、あるいは甲状腺疾患などの内科的疾患が原因となることもあります。自己判断で原因を特定するのは難しいため、皮膚科での正確な診断が不可欠です。皮膚科での診察では、まず問診を通じて、抜け毛の状況、発症時期、家族歴、生活習慣、既往歴などを詳しく確認します。次に、頭皮や髪の状態を視診やダーモスコピー(拡大鏡)で詳細に観察し、毛根の状態や毛髪の太さ、密度などを評価します。必要に応じて、血液検査を行い、貧血や甲状腺機能異常、ホルモンバランスの乱れなどを調べることがあります。これらの検査を通じて、薄毛の原因を特定し、FAGAなのか、分娩後脱毛症なのか、あるいは他の疾患が原因なのかを判断します。診断に基づき、皮膚科では様々な治療法が提案されます。最も一般的なのは「薬物療法」です。FAGAの治療には、女性用ミノキシジル外用薬が推奨されることが多いです。ミノキシジルは毛包に直接働きかけ、発毛を促進し、髪を太くする効果が期待できます。内服薬としては、抗アンドロゲン作用を持つスピロノラクトンなどが処方されることもありますが、これは医師の厳重な管理のもとで使用されます。「栄養療法」も重要な治療の一つです。
女性の薄毛治療は皮膚科で!原因から専門的アプローチまで